三枝先生の寄稿文が載りました(陸上部)
『山梨県スポーツ指導者協議会 会報 第31号』に本校の三枝幸雄先生が寄せた「山梨をより元気に」と題された文章が載せられました。
三枝先生は本校の陸上部顧問として、県内にとどまらず、関東、全国の舞台で戦う歴代の陸上部員を育ててこられました。この経験や思いをもとに山梨県の全体の競技力向上のために書かれた文章でした。
以下にその全文を載せます。
山梨をより元気に
駿台甲府高等学校陸上部 三枝幸雄
大学進学を目指す高校の、何かと制限されることが多い部活動においては、個人競技は大変有効であると考える。短時間に集中して活動し、最大の効果を上げることも、また、学校の行事と絡めて負荷の強弱をつけることもできるからだ。そして、一年間のメリハリをつけることはモチベーションを維持させるうえでも非常に大切である。それは年間だけでなく、季節ごとでも、一ヶ月でも一週間でも、工夫することが重要だ。
陸上競技の競技力は競技人口と相関がある。陸上競技のインターハイ予選となる南関東地区では東京、神奈川、千葉との戦いとなる。山梨は十倍以上の競技人口を持つ相手と対等の頂点を作り上げるかが永遠のテーマである。
個々の力は普通でも、四人が合体して素晴らしい力を発揮する。バトンを持つと湧いてくる不思議な力とバトンのパスワークで全国に太刀打ちできないかという思いが常に根底にある。4×100mで南関東大会の第六位に初めて入賞してから、5年連続南関東大会で入賞して、インターハイに出場できた生徒たちを讃えたい。
強い伝統の力はインターハイに出場しないことには作れない。その中身の凄さを後輩に伝えていく絶対数が少ない。凄さが伝わらなくて、後輩がその凄さにに飲み込まれて行ってしまう。この繰り返し。リレー種目は六名エントリーできるので、インターハイの雰囲気を大人数で体験することができる。また、インターハイは一週間の長期戦である。これが生徒を心身ともに成長させる一要因でもある。
リレーから個人種目の競技力も高められるはずである。すべての基本はスプリント力にある。同一校一種目三人までしかエントリーできない個人種目で、南関東六人の枠に二人が入り、山梨の文字が大型スクリーンに表示されたときの気持ちよさは何とも言えない。山梨の文字が輝いて見える。三人目も可能性が十分あった令和元年度は気持ちよさと悔しさが入り混じった複雑な気分であった。
山梨全体の競技力が、また、陸上競技のレベルが尚一層高まることを常に願っている。山梨がより元気になってもらえるよう、私たち指導者も毎日を大切に精進していきたい。
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